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エレベーターの修羅場♪♪ |
[2020/11/29 11:50] コメント:0件 |
先日、知人とデパートに行った時の事です。コロナ渦でエレベーターもガラガラで乗っていたのは私たち2人だけでした。そのエレベーターに急いで乗り込もうとする人がいました。 閉まりかけのドアからでも輝いて見える、ニシキゴイのようなYシャツ。 光る金の首飾り。 メットのように鋼鉄なオールバック。 瞬時に悟りました。 (ヤクザだ。) (ヤクザだ。) その時、知人はコンマが付くような動きでボタンを押した。 エレベーターのドアが閉まらないようにボタンを押してました。 あーっ!ボタンを間違え『閉』めちゃってるーっ! やくざ、はさまちゃっいました。 やくざがエレベーターのドアに挟まれてる映像って言ったら! 鼻血が出そうなくらい衝撃映像(ある意味モロ出し)。 それが、今まさに、半径1メートル内。 知人、もう口きけなくなっちゃってました。 かわりに私が謝りましたから。 ヤクザはスーツの襟を正すと、無言でエレベーターに乗り込んできて、すげぇ形相で私たちの背後に立ってます。 ドアが閉まった時、アタシ達は思いました。 (降りれば良かった・・・。) (紳士服売り場だろうと、オモチャ売り場だろうと、降りれば良かった・・。) 『何階・・ですか・・・?』 名誉挽回とまでに知人が聞きました。 ところが、 『・・ン階』 マスクのせいか全く聞き取れません。 私は知人の方を見ました。 あ、ダメっぽい・・・。 白目剥いてる。 人差し指がETっぽくなっちゃってます。 ゼンマイ仕掛けのような動きで私を見ました。 目が『何階・・・?』って問いかけてる。 私は、場所をチェンジし、コントロールパネルの前に立ちました。 私は意を決して、つとめて冷静に言いました。 『何階ですか?』 らっとヤクザを振り返りさえしながら。 『・・・ん階。』 ・・・・。 やっぱり無理でした。 そんなに暑くもないのに、変な汗出てきました。 藁をもすがる気持ちで、私は知人を見ました。 (何階って言った・・?)目で訴えると (・・いや、もう・・お役目御免かと思って・・)みたいになってます。 私の人差し指も、ついにETになった。 3階から7階まで。 いわば5択! 何階?何階だろう・・? 私は焦る心で必死にさっきのヤクザのイントネーションを頭の中で反芻しました。 なにか!何かあるはずだ!手がかりがっ!じっちゃんの名にかけて! ・・ん階。 たしかヤクザはそう言いました。 3階から7階までで「ん」の付く階は3(さん)階と4(よん)階だけだ! 2択! どっちだ・・どっちだ・・ど・・・ 『早くしろっ!!』(byやくざ) 静寂を切り裂くような、お声。 本当に飛び上がるかと思ったし、ちょっと心臓も止まりました。 一か八かコントロールパネル、全階点灯。 全部の階、止まる宣言しちゃいました。 ヤクザが結構上の階まで行くとしたら、これ、結構やばいんじゃないかなー。 さっきから結構、靴カツカツいってる。どうやらお急ぎのトコっぽいんですよねー。 しかも次の階でうちらが逃げるようにエレベーターを出たとしたら、今は私たちの体で隠れてる、このパネルが公(おおやけ)になっちゃうんですよねー。 ぽーん・・・・ あ・・・ 3階・・・ ドアが開く。 誰もいない・・・。 やくざも降りない。 ドアが閉まる。 ・・・・・シーン・・・・ 気まずい・・・。 たった一階だけでこの長さ・・・。 これが、まだまだ序章・・・。 ポーン・・・。 4階・・・・。 願いむなしく、誰もいない・・・。 ドアが閉まる。 やくざ、ちょっと異変に気付いちゃったっぽい。 背後で動く気配がする。 一歩前に出たくさい・・・。 レストランは一番上。 アタシ達は降りられない。 ポーン・・・ 5階オモチャ売り場のドアが開く。 やっぱ誰もいない・・・。 やくざが一歩迫り、口を開こうとしました。 アタシはもう必死に『閉』を押しました。 少しでもロスの時間を短くしようと。 『降ります』 やくざが言いました。 ン階は5階でした。 謎が解けると共に、やくざ、帰りも挟まってました。 |
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