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あわびの踊り焼き♪♪

以前、付き合っていた女性とアワビを食べに行った時のことです。彼女はたのみ慣れた感じで「バター焼き」とか言ってるから、私も遅れを取っちゃまずいと思って「あわびの踊り焼き」みたいのオーダーしました。
そして、なんか、軽く火を入れた感じのあわびが彼女に配られる中、
私だけに一人用の炭火であぶる ちっちゃい網みたいのが用意されて、あわびもすごく新鮮、というか、明らかにご存命。
コレきた!
あわびは、でかいし、
何より新鮮で、持ってきた店員の気合も違う感じで、
一瞬、周囲も興奮しだし、彼女も
「それ、すごい美味しそう!」
みたいな羨望のまなざし。
隣の席の客からもヒシヒシ感じる期待感?
「あー、私もそっちにしとけばよかったー」みたいな意見もチラホラ。
しかし、火をつけて、事態は一転しました。
あわびの、思わぬ躍動感?そして臨場感?
このあわび 松田勇作じゃない?くらいの表現力?
貝類って、こんなアクティブでしたっけ?
完全に、苦しんでる様が、もう手に取るように伝わってくるんです。
「あぎゃー」「くっ苦し・・」「・・み、みず・・を」
って声が聞こえてくる気がしました。
彼女も一気に神妙な面持ちなんです。
「かわいそ・・」とか小声で言っちゃってるんです。
私のディナーに完全に感情移入しちゃってんです。
バター焼きとか、ちょいちょい つまみながら。
私も、バター焼きにするんだった。
そんなバター焼きに目を奪われてるうちに、
あ、あわび—————!
ちょっと逃げてるー。
貝の部分を置いて、網のハシのほう行こうとしてるー。
必死。
つーか、貝んとこと具の部分は一心一体じゃないの?
置いてっちゃっていーの、それ?
私は何食わぬ顔であわびを箸で押さえました。
すると、あわびが完全に焼けたっぽいことをお知らせしてます。
なんか、ちょっと見ないあいだに、弱々しくなってるのはいいとして、
あわびの背中、こんなに小さかったっけ・・みたいな。
焼けたせい?なんか一回り小柄になってるんですけど。
あわびが、ゴムみたいになっちゃったのも、そのせい?
初あわび。
噛み切れない。消しゴムの味。
焼き過ぎでした(笑)
2020/12/10 12:51
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