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美容室♪♪

もう7〜8年通い続けている美容院がありまして。
大学時代に住んでいた場所にあるから、これがまた今住んでいる所からはちょっと遠くて、大体往復で2時間くらいです。
しかし何ぶん人見知りだから、新しいところに行くと、何話していいんだかわかんないのです。初めての美容院って、警察官ばりに職務質問してくるじゃないですか。「お仕事は何やってるんですか」とかって。言えないじゃないですか。それに比べて、いつもの美容院なら、しげしげ通いつめた甲斐もありまして。もう何でもわかってくれてる気がします。この前、その美容室に行きまして、 
「いつも来てくれてありがとねー。わざわざ神戸から」
「いえいえ」なんて言って、和気あいあいと迎え入れてくれて。やっぱりここは楽しいなぁ、と。だから、一回も神戸に住んでたことないのとかは、さほど問題じゃない(笑)。「この前話してた店、行ってみたの?」とか言われて、その店のことを一つも知らないことも、大した問題じゃない(笑)
しかし、全然認知されてないんですけど。もう7〜8年通ってんだけど。あれ?ひょっとして誰かと間違えられてないですか?
でもね、言えないじゃないですか。「神戸に住んでないんですけど」とは。「そんな店の話、したことないんですけど」とは。だってそしたら、美容師さん一生懸命謝るでしょう。そしたら、以降の会話が、ちょっとした探り合いっぽくなるでしょう。それはちょっとお互いしんどいなーと。
しかし、完全に、全部が全部僕を誰かと間違えているわけじゃないんです。ほどほど合ってる部分もある。だから、一部だけ。ほんの一部だけ、僕の知らない誰かと僕を混同しちゃってるんでしょうね。まぁまぁそれぐらいならね。僕もその「誰か」に成り切るぞ、と。 
美容師さん「そういえばあのバンド、新しい曲出したよねー」
これなんかは正解なんですよ。確かにこの前、そのバンド好きって言った。ただ「はい、いつもの」とか言って、当たり前のように『闘将!拉麺男』(たたかえ!ラーメンマン)のマンガとか持って来ちゃう。しかも途中から。全然ストーリーわかんない。そもそも美容院に何おいてんだと。雑誌くれと。 
まぁまぁそんな感じで会話してて。何とかやり過ごせるかなと思ったんですけどね。いたなー、悪魔。潜んでた。「やっほ!」って、こっち見てた。
 美容師さん「休みの日はやっぱり例の彼女と過ごすの?」
私「そ、そうですねー。あの、イルミネーションでも見に行こうかと…」
えっと、いたかな。彼女とかいたかな。もう、超切ない。何この見栄だかなんだかわかんない。ここで彼女の話とか、したことない。だから例の、って言われても困るんだけど。
美容師さん「えー!いいなー。それでその後は?」
私「いやいや、そりゃ、お泊まりでしょうよ。多分」
だからいねーの。頑張ってもアパホテルぐらいしか泊まるとこねーの。しかし「いない」って言ったら、「え!?別れたの!?そっか、嫌なこと聞いちゃったね…」的な流れになるのは明白で。それは避けたいところじゃないですか。ややこしくなるし。
美容師さん「彼女さん、たしか年下なんだよね?」
僕「は、はい。3つ下です」
美容師さん「え?3つも下だったっけ?」
僕「え?いや、あの、じゃあ2つ下で…」
長い。この話に限って長い。もう、話あわせてたら、仮想彼女がどんどんと出来上がっていくわけです。お花屋さんでバイトしてて、趣味がお琴。いや、そいつは誰なんだと。
その後必死になって会話の舵取りをして、ようやく違う話題にうつすことに成功したのは15分後。例のバンドの話なら、素の自分でもいけるから。ありがたいことにその美容師さん、ちょっと年上のお洒落なお姉さんなんですけどその人も同じバンドが好きだから。これで当分時間潰せるはずだと。一安心ですよ。
私「やっぱりあの曲いいですよねー」
美容師さん「あれいいよねー!え?彼女さんと一緒にライブとか行かないの?」
戻すなと。変な返事出るから、急に戻すなと 
それで、ようやくカットが終わって。もう、こっちがすっかり一仕事終えた気分。それからシャンプー台に移動してさすがにもう大丈夫だろうと思ってたんですけど。全然いたなー。もっと強めの悪魔、「チィース!」ってこっち見てた。
美容師さん「かゆいところないですかー?」
私「はい、大丈夫です」
美容師さん「あれ?今日は背中かゆくないんだ?(笑)」
それ言ったの、絶対俺じゃないから。誰だか知らんけど、マジでやめてくれと。やばい、勝手に変なキャラついてる。何もしてないのに、ひょうきんなお調子者になってる。何なら、ちょっとしたクールキャラで通してたつもりだったのに。さっきも言った通り、結構な人見知りなんですよ。もし本当にかゆいところがあってもね、我慢して「ないです」って言っちゃうタイプ。美容師さんみたいなイケてる人に、「じゃあ背中でー☆」なんてヒップホップなこと、口が裂けても言えないんですよ。
私「え?えっと、はは。前にそんなこと言いましたっけ?」
美容師さん「忘れちゃったのー?背中かいてあげたじゃん!」
消滅したい。一刻も早く。何が嫌だって、その話聞いて、その「誰か」にちょっと嫉妬してる自分が一番嫌だわ。僕なんて…。僕なんて…7〜8年間も通って、頭にサランラップ多めに巻いてもらったことしかないのに!「一巻きサービス!」とかわけわかんないこと言われて、それでもなぜか心がほっこりしたのに!
しかし、止まない雨はない。ガンガンに削られたシャンプータイムも、ついには終わりを迎えました。自分の椅子に戻り、最後の仕上げ。解放はすぐそこです。美容師さんも最後まで楽しそうに接客してくれたし、これでこれまでの苦労も報われるな、と。鏡越しに目が合うと、美容師さんもニッコリ。うん、相変わらずいい腕だなぁ。
美容師さん「そうだ!またあのモノマネやってよ!あの、超面白いやつ!」
…え?何か変なの聞こえたけど、耳にシャンプーでも詰まってんのかな?
美容師さん「あれ聞かないとー!」
やべー。最後の最後に、何かすげーの来たんだけど。何、モノマネって何。なんなのねぇどうすればいいの。だ、誰か助けてぇぇぇぇぇ!本人ご登場してぇぇぇぇ!
私「…モ、モノマネですか?」
美容師さん「そう!この前やってくれたじゃん!キリンの鳴き声のやつ!」
しかもムんズー!思い出すまでもなく、絶対一回もやったことねー!…どうする?行く?引く?いやいや、ここはどう考えても引きでしょ。…あ、どうしよ。美容師さんすっごい楽しみにしてるっぽい。目とか、シャンシャンに輝いてる。これはもう元に戻れないなー。すごい手とか震えてるけど、こ、こうなったら…!
私「…………ブ、ブフゥゥン!!」
美容師さん「…」
あ、終わったわ。こういうときってアレだね、血の気の引く音がクリアに聞こえるんだね。えーっと自爆スイッチはどこだったかな?
美容師「すげー!前よりうまくなってるじゃん!あははー!」
と思ったらできてたー!!!「誰か」の記憶塗り替えたー!やべー、何か泣きそうなんだけど!あは!あははー!!!!
美容師さんも喜んでくれた。その「誰か」もノリ悪いと思われずに済んだ。俺、ナイスファイト…!
 まぁ頑張った甲斐もあってか、その後は概ね平和に済みました。
さーて無事ブログも書き終えたことだし、新しい美容院でもググるとしますか☆
2021/01/13 13:18
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