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さびれた看板♪♪

街の看板を見ていると気付くことですが、黒字と赤字だと赤字のほうが先に消えるように思います。風雨にさらされて、黒字よりもずっと早く消滅してしまいます。
 だから日本の街には、赤字だけが消えた看板があふれています。
うちの近所にある家の玄関に、「猛犬に注意」と書かれた掲示があるのですが、時の経過によって、赤字の「注意」だけが消えています。その結果、掲示には次のように書かれている。
「猛犬に」
 猛犬に、何かを捧げています。母に、娘に、恋人に。書物の冒頭によくある献辞であり、これまでさまざまな書物がさまざまな人間に捧げられてきたが、猛犬に捧げられた書物は見たことがない。
 その近くの古い平屋には、玄関ドアの横に小さな掲示があります。おそらく「引いてください」と書かれていたのだろうが、「引」を赤字にしたばかりに、やはり文字が消えて結果、掲示には次のように書かれています。
「いてください」
 切実です。これは、心が壊れる瀬戸際まで来ている人間の言葉です。街でふと見かけるには、強すぎる言葉です。
 家を出て、コンビニに向かう時、私は「猛犬に」の前を通り過ぎ、「いてください」を右折して、セブンイレブンに入っていきます。
 明日は、「いてください」の前に、いようと思います。「いてください」と言っているんだから、誰かがいてあげなくてはならない。しかし誰も立っていない。あの家のあの扉の前に、誰かが立っているのを見たことがない。非人情の街だ。私は、いてくださいと言われたら、いるよ。ただ、いるだけでいいのなら、私はいようと思います。
 実際にやったら通報されそうですが(笑)
2021/01/29 19:10
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