店長ブログ

ある失恋の話♪♪

2020/11/10 11:28|コメント:0件

昔、好きだった女性から電話があった時のことです。
朝4時、電話がきて
「びっくりするぐらい失恋した」
とのこと。
夜中 急に、彼氏から別れの電話がかかってきたらしく、
友達は5時間かけて散々説得したあげく、
気づいたら向こうの受話器からいびきが聞こえてきたっつー
壮絶なクライマックスの果てに、私に電話がかかってきた。
思いっきり疑いようもないくらいに寝ていた私は、
「それはびっくりだね」
と、とりあえず相槌を打ちながら、薄ら暗い中で時計を確認し、
4時という短針に、
いやー、こっちもびっくりだな、と思いつつ、話を聞いた。
彼女との出会いは忘れもしない中学三年の水泳大会。
私は毎日特訓した。
で私は真剣にその勝負に挑んだ。
種目は背泳ぎ。
私がまっすぐゴールを目指す中、
いきなり横から曲がってきた奴がいた。
それが彼女だった!
彼女はレーンの仕切も無視して私にアタック
彼女の手は私の顔面に見事ヒット!
浮かんでるはずの背泳ぎで
顔を鎮められた私はちょっとした潜水みたいになり、
溺れた。
必死に足をついたときには、失格が確定していた。
彼女と言えばそのおかげで、いい感じに方向転換し
見事2位をおさめていた。
衝撃的な出会いだった。
あれから、もう10年近く経つ。
そんな彼女が、今、電話の向こうで、
「こんな急降下、
 なんであたしだけがこんな目に合わなきゃいけないの!」
みたいな事を、あまりに悲しげな声で言うので、
「じゃあ、二人でそんな目に合ってみようか」
って、富士急に誘った。
ギネス級の急降下をみんなで体感するために。
甘かった。
カップルしかいなかった・・。
FUJIYAMAに乗るまでの小一時間、前にカップル、後ろにカップルの愛のサンドイッチ状態で、アタシ達にはこの空間において、人権すらも危ういことを教わった。
彼女は必死にカップルじゃないことをアピールしてた。
微妙にお互い距離を取りすぎて気まずくなってるし、
長距離バスに長時間乗車したせいで、話したいことは話尽くした感もある。
お互いに「こんなはずじゃ・・!」みたいな空気が漂った。

帰り、彼女は晴れ晴れとした顔で、
「初めて会った時も、沈んでたよねー!」
って、さぞ可笑しそうに笑ってた。
そうそう、おめぇはそういえば、水泳大会のあの時も、
2位に表彰されながら、私を見てゲラゲラ笑ってた。
んで、放課後に、その表彰状を、こっそりくれたんだっけ。(ホロリ)

それから十ヶ月、失恋からも勝手にいい感じに方向転換してった彼女に、
お見事!第一子が誕生しましたー。

わー!おめでとー!って思って、
あれ・・十ヶ月って・・?
と思って、
逆算して、
もうね、電話した。

「はい、もしもし?」
「つーか・・・おめぇ・・」
「あーごめん、富士急から帰った日にヨリ戻ってさ、
 つーかむしろちょっと燃えた」
これだよ。