店長ブログ

タピオカ♪♪

2021/01/27 15:35|コメント:0件

プラスチックカップの底に沈むタピオカを見つめながら思いました。
 私はタピオカの流行と距離を置こうとしましたが、挫折しました。冷めた目でやりすごすには、タピオカはもちもちしすぎていました。ストローで吸いこむ瞬間が、たまらないです。透明なストローの内側に、タピオカが詰まって並んでいる。ストローの中で行列を作り、吸い込まれることを待っている。私はこの状態を、タピオカ待機と呼んでいます。
 宇宙から見れば、人類もタピオカも似たような粒。しかし今の私は人間としての形状を持ち、タピオカはタピオカとしての存在を生きています。もしかしたら、タピオカの群れも前世では人としての自我を持ち、人としての苦しみを生きた時代があったのかもしれません。
 私も来世は、透明なタピオカに生まれたい。
 しかし、そうしてタピオカへの転生を願っても、トイレを汚した罰として、消臭剤に生まれ変わることになるかもしれません。トイレに置かれた消臭剤の一粒一粒が、前世でトイレを汚した人間かもしれません。
 ある者は尿を放置した。ある者は一歩前の貼り紙を無視した。いまや彼等は透明な粒となり、小さなプラスチックケースに収容され、トイレの悪臭を吸い込み、少しずつ萎びてゆくだけの生涯は悲しいです。
 タピオカに生まれ変わるには、本当に心を透明にして、人生を終えなければならないとしたら、釈迦は今頃タピオカとなり、ミルクティーという安寧の底に、深く沈んでいることでしょう。